COZY POWELL - BACK TO WIN: TOUR REHEARSALS 1992(1CD)
Rehearsals tape for The Drums Are Back Tour which never happened. PERFECT SOUND(from Original Masters)
Taken from the original cassette tape(Sony HF-S90) which belonged to Cozy Powell.
Handwritten as "Mario" and "Dave" on the label of either side of the tape.
全てのハードロックファンにビッグニュース!2010年の締めくくりに驚天動地のスーパータイトルが登場です! コージー・パウエルが生前に所有してい たデモ・リハーサルテープの、いわゆる"Cozy Tapes"より、「THE DRUMS ARE BACK!」製作後に当たる、1992年のものと見られるスタジオ・リハーサルテイクが発掘されました!もちろん全て完全世界初登場の音源であり、そのク リアさだけでなく、ミュージシャンが聴き手のすぐ目の前でプレイしているかのように際立った立体感と生々しい質感は、聴く者全てに大いなるショックを与え るに違いありません!
コージーは'88年のBLACK SABBATH加入後、「HEADLESS CROSS」と「TYR」及びそれらのツアーで大きな貢献をしてSABBATHの建て直しに尽力しました。'91年初頭にトニー・マーティンが離脱してロ ニー・ジェイムズ・ディオが復帰した際も、トニー・アイオミはコージーと共にバンドを運営する気でいました。しかしながらコージーはロニーと対立し、さら に不運な落馬事故も重なった事でバンドからの離脱を余儀なくされました。その後コージーは約10年ぶり4枚目のソロアルバムとなる「THE DRUMS ARE BACK!」の製作に着手し、また同時期にはブライアン・メイのソロアルバム「BACK TO THE LIGHT」にも協力するなど、事故の影響を感じさせない精力的な活動を行いました。
今回発掘された本音源に収録されているのは、コージーのドラムを中心に、ベースにニール・マーレイ、キーボードにドン・エイリーを配し、そこへギタリス トが加わった4人編成のジャムセッションで、演奏している楽曲の内容から判断して「THE DRUMS ARE BACK!」の製作直後に行われたものと考えられます。
マスターとなったカセットテープのA・B両面のステッカーには、コージーの直筆で"Mario"そして"Dave"と、このセッションに参加したと思わ れるギタリストらしき人名が記されていました。(ジャケのイナーにはカセットテープの写真も掲載)"Mario"と書かれたテープのA面は本作の Track1から6に相当し、かたや"Dave"と記されたB面はTrack7から15として収録しています。
この両面におけるギタリストの演奏はプレイ スタイルや音のニュアンス、そして些細なクセに至るまで明らかに別人のもので、このリハーサルがツアーに向けてのギタリスト選考を兼ねていたものだった事 を想像させます。まるで聴き手がスタジオの一員になってジャムセッションを見守っているようなクリアさと分離感は極上という他ありません。
コージーをはじ めメンバー各人の細やかなタッチから手慣らしのプレイまで、全てを細大漏らさずしっかりと聴き取る事ができるサウンドは文字通り「手に取る」ようであり、 これまで登場してきた多くの"Cozy Tapes"リハーサル音源の中でも、本音源の音質は特筆できる一本だと断言できます。聴けば聴くほどあっと驚く場面と新しい発見が繰り返され、その演奏 に魅了されたが最後、誰もがこの「スタジオ」から離れられなくなるはずです!
以下より収録内容を個別に見ていきましょう。
テープA面に収録されていたTrack1から6までの"Mario"とは、'92年11月からのCOZY POWELL'S HAMMERのツアーにも参加した、イタリアの技巧派マリオ パーガの事です。マリオはこの時期の活動について公式サイトで「'92年を通してコージーと活動した」、「"Dance With The Devil"のリメイクに参加した」(「OVER THE TOP SESSION」にボーナス収録された'92年版「Dance With The Devil」と思われます。これは重大な証言です!)…というように回想しています。 マリオとコージー、そしてドンはFORCEFIELDプロジェクト ですでに繋がりがあり、ここでの起用も順当な人選だと納得できます。
1. Legend Of The Glass Mountain #1
各人の手慣らしのようなプレイが一転、荘厳なキーボードから熱いセッションがスタートします。全編にわたりマリオは持ち前のテクニックを連発しつつも、 曲本来のメロディを優先したフレージングを心がけているようです。コージーがマリオのプレイに手数の多いドラミングで応酬する場面はスリリングで、一瞬も 耳を離せません! 特にゲイリー・ムーアの「Over The Hills And Far Away」のようなメロディがちらっと顔をのぞかせる中盤は鳥肌ものです!
2. Return Of The 7 #1
アルバムではイントロに「Light In The Sky」が取り上げられていますが、ここでは本曲単独の演奏になっています。小気味良いベースラインに乗せてギターとドラム、そしてキーボードがスペー シーな空間の広がりを想起させ、お互いが丁々発止のやり取りで演奏を広げていく様子を楽しめます。
3. Ride To Win #1
「THE DRUMS ARE BACK!」収録曲でも白眉だったこの曲は、本セッション前半でも注目のテイクです。前の「Return Of The 7」コーダから流れ込むように始まる導入部は緊張感と期待感であふれており、さらにマリオが魅せる華麗でテクニカルなプレイは必聴です。
4. Instrumental #1
「Crossroad」をモチーフにしたと思われるブルージーなインスト。ハードな前曲から表情を一変させたマリオのギターは随所で素晴らしいフレーズを聴かせます。キーボードの遊び心を感じるプレイの数々も絶品のツヤで彩られています。
5. Winds Of Limbo #1
この曲はマリオ・パーガが'91年に発表したソロアルバム「THE MAGICIAN」収録のインストテイクです。ツボを押さえたリズムセクションとたおやかなピアノの調べに乗せ、マリオのギターがゆったりとした、情感溢 れるメロウなプレイを奏でます。しかし3分を過ぎた途中でアンサンブルがストップします。
6. Winds Of Limbo #2
仕切り直しの2テイク目。冒頭からメンバー全員が音を合わせ、完成度の高いバンドサウンドを展開します。優美な旋律は一服の清涼剤のようで、聴き手もうっとりと心安らぐ事でしょう。マリオのテイクがここまでと言うのは惜しい!
テープのB面、Track7以降のギタリストが誰なのか、現時点でも断定は出来ません。しかし様々な調査と検証を行った結果、"Dave"とはイギリス 人のテクニカルギタリスト・デイヴ・シャーマン(Dave Sharman)ではないかという結論に至りました。このデイヴ・シャーマンは'89年にドン・エイリーとセッションをしている上に'90年頃にはニール とも接点を持つなどコージーの人脈とも非常に近い人物で、優れたギタリストを探していたコージーが、ニールやドンの推挙で招いたのではないかと想像されま す。(なお'92年にはニールが参加したソロアルバム「EXIT WITHIN」を発表しています。)
マリオと比較してどちらかと言えばオーセンティックなスタイルながら、テクニック面では甲乙付けがたく、速弾き・スウィープ・タッピングなど正確なピッ キングに裏付けられた技術は卓越したものを持っています。 (識者に聴かせたところ、ナイト・レンジャーで言うなら"Mario"はブラッド・ギル ス、"Dave"はジェフ・ワトソンに近いスタイルの違いを感じたとのこと。成程と思える例えでした。)フレーズの抑揚を巧みに効かせるタイプであり、ア グレッシヴかつ攻撃的な表情も垣間見せるプレイはハードロックやメタルへの親和性も高そうで、一聴してマリオよりもデイヴのプレイの方がコージー相手には しっくり感じるという人も多いかもしれません。彼とコージーらのハイレベルなプレイの応酬には、きっと聴き手の皆さんも度肝を抜かれる事でしょう。
7. Ride To Win #2
デイヴは1曲目からエッジの際立った、鋭くメタリックなプレイで聴き手の耳を惹き付けてくれます。ここではTrack3で聴けたマリオのテイクに近い解釈をしています。
8. Ride To Win #3
前の「#2」でマリオに近いプレイをしていたデイヴが、ここではより独自性を出したアプローチを試みています。メロディの中にも隙あらば小技を挟み込 み、よりライヴ向けのアレンジを模索しているようです。後半の荒れ狂うようなプレイは壮絶で、コージーもギターに大いに触発されているようです。
9. Return Of The 7 #2
ここではマリオとデイヴのスタイルの違いを明瞭に感じる事ができます。Track2の同曲においてマリオはジャーンと強く弾いてアーミングでリズムを構 成していましたが、デイヴはそのままジャジャジャと音数を多く弾いており、彼の持ち味であるピッキング主体の構成になっています。両者のプレイの相違を味 わう上でも面白い素材と言えるでしょう。
10. Legend Of The Glass Mountain #2
この曲でもマリオとデイヴの違いを楽しめます。流麗なメロディを聴かせたマリオに対し、デイヴはやはり序盤からピッキングの手数が多く、フレージング面 でも彼の個性である速弾きをフィーチャーしたアグレッシヴなプレイを確認できます。 特に中盤以降はコージーに真正面から渡り合おうとする様子すらうかが え、スリリングな演奏に拍車をかけています。
11. Somewhere In Time #1
マリオがTrack5と6でプレイした「Winds Of Limbo」に対応するように、デイヴにここでメロウな曲をプレイさせている事から、本音源はやはりツアーに向けて行われたギタリストのリハーサル兼オーディションのテイクなのではないか?と思わされます。
デイヴは抑揚の付いたプレイで楽音をドラマティックに盛り上げており、単なるテクニカルギタリストではない、一味違った側面を見せています。
12. Somewhere In Time #2
こちらでは同曲の「#1」よりもさらにタメを効かせた印象です。ギターの手数や音数を絞った代わりにより粘りの強いプレイで情感を滲ませるようなタッチになって、さらにバンドらしいまとまりを感じる演奏になっています。
13. Bad Girl
間違いなく本音源中でも最大の聴き所!まさかここでRAINBOWナンバーが出ようとは…!四人の火を吹くようなバトルは緊張感を漲らせながらも以心伝 心の和やかさを感じさせ、スリリングな展開なのに安心して聴ける演奏はまさにRAINBOWにも通じるチームワークをと言えるでしょう。歌がなくとも私達 聴き手を満足させる充実度は、同テイクがインストとしても完成されていることを痛感させます。RAINBOWでも決して知名度の高い曲ではありませんが、 本テイクの魅力と凄さは想像を絶します!
14. Since You Been Gone (Intro only)
「Bad Girl」の熱さに触発されたのか、デイヴとドンが「これもやろう」と言わんばかりにイントロを奏でます。しかしコージーはドラムを叩かずイントロのみで終了!バックからこぼれてくる楽しそうな笑い声から、コージーの笑顔も見えてくるようです。
15. Instrumental #2
RAINBOWの名インスト「Weiss Heim」を思い出させる、憂いを湛えたギターとキーボードのフレーズが印象的なインストです。コージーのドラムもツボを押さえた小粋さが極上の味わいで 満ちており、終始素晴らしい聴き応えです。嵐のようなピッキングを披露するデイヴのギターが強烈な鳴きを上げて「さあここから!」という佳境に入った所で 残念ながらテープが切れ、同時に本音源も終了を迎えてしまいます。
ここからは憶測になりますが、本作の熱気がこもったリハーサルに接すると、この時期コージーはニールやドンらの旧友と共に、後の"COZY POWELL'S HAMMER"とは異なるソロ活動として「THE DRUMS ARE BACK!」単体でのプロモーションツアーを企画していたのではないかと思わされます。そのためにここで聴けるリハーサル(兼オーディション?)を行った ものの、何らかの理由(例えば集客力などの面でプロモーターとの折衝が折り合わなかった、など。)でツアーそのものが計画倒れになってしまった。最終的に 「様々なバンドの名曲をプレイする企画のほうが観客受けするだろう」という判断から、セッションに参加したマリオの他、同時期にソロアルバムをリリースし ていたトニー マーティンにアプローチしてこれを迎え入れ、現在私たちが知っている'92年のCOZY POWELL'S HAMMERになった・・・という推測も成り立つかも知れません。
もちろん上記の"仮説"には明確な物証や根拠がある訳ではなく、単なる憶測でしかありません。しかし謎に包まれた'92年前半におけるコージーの活動に このような素晴らしい音源が登場した事で、聴き手の一人として様々なイマジネーションが広がってしまうのです。これも本音源があまりにも魅力的だからこそ 抱いてしまう"夢"だと思います。このようにファンの皆さんも色々と考えながら本作を聴いてみてはいかがでしょうか?
今年もコージー関連のデモ・リハーサル音源からは、COZY POWELL'S HAMMERの「LOST REEL MASTERS」やRAINBOWの「LONG LIVE ROCK'N'ROLL ROUGH MIX」、さらにロニーとコージーが共演するBLACK SABBATHの「BATTLE OF GODS」など、ファンの記憶へ永遠に留められるであろう貴重な発掘が相次ぎました。
それらの中で本作は、今だコージーの活動に不明な点が多い'92年に スポットが当たったもので、歴史的に極めて重大な発見と断言できます。ミステリアスな要素を多分に含んだ音源ではありますが、この音源発掘を端緒として ファンや専門家の間でより研究が進み、当時のコージーがどのような活動を志向していたのか、明らかになる切っ掛けとなれば望外の喜びです。もちろん資料性 だけでなく、音の向こう側から伝わってくるコージーの精気と生命力に満ちたプレイは無上の感動を私たちに与えてくれます。
メンバーとのインタープレイを楽 しみながらコージーが不敵な微笑を浮かべている、そんな情景が目に浮かぶようで、彼の放つ一音一音を聴くごとに、また改めて失われたものの大きさに涙して しまいそうです。
計り知れない歴史的価値、プレイの品格に極上の音質、そして止め処なく湧き上がる感動・・・本作はまさしく国宝級、いや世界遺産クラスと表現して差し支 えない大発見です!在りし日に刻まれたコージーのプレイを、音源全体に包まれた謎のベールと共にどうぞお楽しみください!これはもう全てのロックファン必 携、是が非でも手に入れねばならない一本でしょう!もちろんその格式とクオリティに相応しい完全限定プレスCDでの登場です。
★beatleg誌最新号 vol.140(2012年3月号)にて、年間ベストに選出されたタイトルです。下記は誌面上に掲載されたコメントの抜粋です。
☆1位は俗に言う「Cozy Tapes」最新タイトル。未だ発掘されること嬉しい驚きなのだが、昨年は同時に「The Drums Are Back Rough Mix」もリリースされているのだが、生々しさとしてはこちらに軍配があがる。(年間ベスト1位)
1. Legend Of The Glass Mountain #1 2. Return Of The 7 #1 3. Ride To Win #1 4. Instrumental #1
5. Winds Of Limbo #1 6. Winds Of Limbo #2 7. Ride To Win #2 8. Ride To Win #3
9. Return Of The 7 #2 10. Legend Of The Glass Mountain #2 11. Somewhere In Time #1
12. Somewhere In Time #2 13. Bad Girl 14. Since You Been Gone (Intro only) 15. Instrumental #2
Cozy Powell - Drums Neil Murray - Bass Don Airey - Keyboards Mario Parga - Guitar(Trk 1-6)
"Dave" - Guitar(Trk 7-15)
(メーカーインフォによる)