Live at Sportpaleis Ahoy, Rotterdam, Netherlands 13th June 1981 TRULY PERFECT SOUND

 

　「“DIFFICULT TO CURE TOUR 1981”随一の……いや、ジョー・リン・ターナー全時代の最高峰」。世界のマニアにそこまで言わせる伝説の名録音が登場です。

　そんな本作に収められているのは「1981年６月13日ロッテルダム公演」。アナログ時代から知られる名録音中の名録音ですが、本作はその大元になったカセット・マスターからデジタル化した極上の逸品なのです。その凄味に触れる前に、まずはショウのポジションをワールドツアーの全体像の中から確認しておきましょう。

 

・２月20日-５月13日：北米（47公演）
・６月３日-７月27日：欧州（39公演）←★ココ★
・８月12日-28日：日本（８公演）

 

　以上、全94公演。本作のロッテルダム公演は「欧州」レッグの８公演目にあたるコンサートでした。このショウは、アメ車ジャケも懐かしい伝説のLPブートレッグ『LOST IN HOLLYWOOD（Avon RB 0891）』がコレクターを震撼させたもの。本作は、その大元マスターなのです。

　何がそれほど凄いのかと言えば、サウンドと熱演。まずサウンドですが、これがもう猛烈にクリア。冒頭から興奮する観客の声が聞こえるのでサウンドボードと間違える事はありませんが、肝心要の楽音と歌声は距離感もまったくりなく、サウンドボードさながらに真っ直ぐ飛び込む。しかも、その分離の鮮やかさは下手なライン録音が束になっても敵わない。各楽器が１音１音鮮やかなのは当然なレベルで、ドラムキットの構造が立体的に感じられるほど。もちろん、リッチーのストラトは、１音の立ち上がりから消えゆく鳴りまで艶やかで鮮明。おおよそオーディエンス離れした名録音なのです。しかも、本作はカセットからの収録。LP起こしのようなスクラッチ・ノイズもなければ、鮮度もバツグン。『LOST IN HOLLYWOOD』他の既発ではキーボードソロの途中でディスクが分断されていましたが、本作ではしっかりとシームレスで収録しています（ドン・エイリーの名を連呼するジョーの声が途切れますが、これは現場そのままです）。

　そのサウンド以上に素晴らしいのが、凄まじいまでの熱演。これがもう、素晴らしいのなんの。とにかくリッチーもジョーも絶好調。日によって波のあるジョーですが、この日はどこまでも気持ちよく伸びに伸びる。よく楽器の名演奏を見て「ここまで弾けたら楽しいだろうなぁ……」と思うものですが、そのヴォーカル版。実際、ジョーも自分の調子の良さが気持ちいいのか、見せつけるような自在な節回しを多用しています。

　そんなジョーに引っ張られるように全員が全開。ボビー・ロンディネリはいつものようにパワフルでありながら、いつも以上にタイトですし、ドンのカラフルな指先は見事なフレーズをキメまくる。もちろん、主役リッチー・ブラックモアもキレッキレ。トロけるようなロマンティックな旋律も、激しいカッティングも、悪戯っぽい小フレーズも、流れるようなキメも、めちゃくちゃ鮮やか。“何をやっても上手くいく日”というのがあるものですが、それがこの日。上機嫌な表情が音から透けて見えるライヴアルバムです。

　そして、その絶頂は何と言ってもアンコール。特に凄いのは「Smoke On The Water」と、ラストのギタークラッシュです。このツアーからDEEP PURPLEの代名詞が解禁になったわけですが、情報の少ない当時だけに恐らく観客は知らなかったのでしょう。あのイントロが鳴り響くや凄まじい喜びよう！　もちろん、サビでは盛大な大合唱も巻き起こるわけですが、逞しいギターサウンドは、それさえも蹂躙し尽くす……。世界各国で盛り上がるパートではありますが、本作ほどグーに力がこもる録音はちょっと覚えがありません。

　そして、ハイライト中のハイライトたるギタークラッシュ。これがまたそんじょそこらの録音とはワケが違うド迫力。普通、轟音渦巻くの中で「今、壊したかな？」と探るように聴くことも多いわけですが、本作はギターの悲鳴まで超クリア。乱暴なフレーズが突如、音程のなしてキシミと化す様が鮮やかに描かれている。これまたグーがじっとりと濡れる素晴らしいシーンです。

 

　よく“良い曲”・“良い音”・“良い演奏”を三要素に挙げますが、RAINBOWですから“良い曲”なのは当たり前。残りの“音”と“演奏”がここまで凄まじく、ここまでエキサイトさせられるライヴアルバムはそうはありません。マニアが「ジョーの全時代でも最高峰」と呼ぶのも無理からぬ名録音。その最高峰盤です。「ジョーの声なんぞ聴きたくもない」という方にまではお薦めしませんが、それ以外のすべての方に触れていただきたい大傑作。もちろん無論の永久保存プレス２CDで登場です。

Disc 1 (38:00)
1. Land Of Hope And Glory 2. Over The Rainbow 3. Spotlight Kid 4. I Surrender
5. Man On The Silver Mountain 6. Catch The Rainbow 7. Can't Happen Here

 

Disc 2 (54:49)
1. Keyboard Solo 2. Lost In Hollywood 3. Difficult To Cure 4. Drums Solo
5. Long Live Rock 'n' Roll 6. Maybe Next Time 7. All Night Long 8. Lazy
9. Woman From Tokyo 10. Smoke On The Water 11. Kill The King
12. Long Live Rock 'n' Roll - Guitar Crush

 

Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass
Don Airey - Keyboards Bob Rondinelli - Drums

 

★★特別企画

★“ジョー時代の最高峰”と謳われた名録音『ROTTERDAM 1981』。その初回限定ナンバー入りステッカー付きに限り、同じ“DIFFICULT TO CURE TOUR”の貴重映像『ESSEN 1981』が特別に付属致します。

 

RAINBOW - ESSEN 1981(Special Bonus DVDR)
Live at Grugahalle, Essen, Germany 10th June 1981

 

　サウンド、演奏が究極的に素晴らしい伝説の名録音『ROTTERDAM 1981』。その名盤に足りないものがあるとすれば、それは“光景”です。そこで、ボーナスには貴重な“DIFFICULT TO CURE TOUR 1981”の（ほぼ）フル映像をご用意しました。

　本作が撮影されたのは「1981年６月10日エッセン公演」。本編プレス２CDで触れた日程で言うところの「欧州」レッグ５公演目であり、本編のロッテルダム公演の３回前にあたるコンサートです。

　それまでRAINBOWのオーディエンス・ショットというとフィルム撮影がメインでしたが、本作は当時まだ珍しかったビデオによるもの。“恐らくRAINBOW最古のビデオ撮影”と言われる貴重な１本です。しかし、そんな貴重っぷりに似つかわしくないのがクオリティ。当時は、現代とは比べものにならないほど大きなカメラを持ち込んでいたと思われますが、異様に安定したアングルが美味しい。ステージ左側からの撮影と思われますが、三脚を使っているのか、アングルが極めて安定。リッチー・ブラックモア、ジョー・リン・ターナーを中心に画面いっぱいに全身が映るほどのズームが多用されているのですが、手ぶれの類がまったくない。しかも、１階アリーナ客の頭上越しにダイレクトにステージを収めており、前列の影に悩まされることもないのです。

　そして撮影だけでなく、マスター鮮度も素晴らしい。ビデオ黎明期の撮影だけに粒子は粗いものの、マスター劣化の歪みやダビング痕がほとんどない。現代のデジタル感覚とは切り離すべきものですが、そのビビッドな発色は貴重度を超えて“1981年”の光景を鮮烈に蘇らせてくれるのです。

　そのクオリティで描かれる“DIFFICULT TO CURE TOUR 1981”は本当に貴重。何しろ、このエッセン公演は絶好調のロッテルダム公演にも激近であり、時期的にも公演数的にも、後半に差し掛かった頃の記録。新加入のジョー・リン・ターナー／ボビー・ロンディネリもバンドに慣れ、アンサンブルも十分にこなれている。

 

その上で“行く先々が初めての地”というフレッシュさ、“新ラインナップの実力を証明する”という気迫も十分。ジョーは調子の良し悪しに差のあるシンガーですが、本作は調子も良く、スウィートながらブルージーでもある絶品の歌声を轟かせてくれます。音声がやや割れ気味で、いくつかの曲でカットがあるなど欠点もなくはありませんが、メドレー形式の残るショウ運び、情熱滲むリッチーのフレーズの熱気も十二分に味わえます。

 

1. Over The Rainbow 2. Spotlight Kid 3. Love's No Friend 4. I Surrender
5. Man On The Silver Mountain 6. Catch The Rainbow 7. Can't Happen Here 8. Keyboard Solo
9. Lost In Hollywood 10. Guitar Solo 11. Difficult To Cure 12. Drum Solo
13. Long Live Rock'n Roll 14. Maybe Next Time

 

Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass
Don Airey - Keyboards Bobby Rondinelli - Drums

 

COLOUR NTSC Approx.70min.