DEEP PURPLE - TOKYO 1991 FINAL NIGHT(2CD)
Live at Budokan, Tokyo, Japan 27th June 1991 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
日本人にとって“DEEP PURPLEのリッチー・ブラックモア”の見納めとなった、1991年の武道館最終日。そのキニー録音をオリジナルDATから蘇らせたライヴアルバムが登場です! “SLAVES AND MASTERS WORLD TOUR 1991”に伴うジャパンツアーは全4日間の4公演スケジュールで、武道館→武道館→大阪城ホール→武道館の順でした。本作は追加公演となった最終公演「1991年6月27日」のオーディエンス・アルバム。この次となる1993年のジャパンツアーにリッチーの姿はなく、この日はまさに日本人が最後に目撃した“DEEP PURPLEのリッチー”なのです。
そんな特別なライヴを録音したキニーDATは、かつて「SLAVES AND MASTERS TOUR 1991(9-106271/72)」として世に出たもの(大阪公演と同じタイトルなのでややこしいですが、別物です)。今週は大阪公演のキニー録音も「OSAKA 1991」として復刻いたしましたが、それと同じくオリジナルDATから直接CD化し、丹念にマスタリング。CD黎明期の既発「SLAVES AND MASTERS TOUR 1991」とは、同じ録音とは思えないほど見事なサウンドで蘇りました。そのアップ度は大阪公演の「OSAKA 1991」以上。
なにしろ、キニーの既発では明らかに大阪に水をあけられていたのに、今回は甲乙付けがたいほどに肉薄している。最初は、どちらかをプレスCD、どちらかをボーナスCDRにする案もあったのですが、スタッフ内でも大阪派と東京派に分裂。双方プレスすることで手打ちにしたほど(正直なところ、ジョー時代のDEEP PURPLEでこれほど白熱したのは初めてのこと。それほど本気にさせるサウンドなのです)。ビビッドな楽音は極めて鮮やかで、若干距離も感じられた既発とは別物のように鮮烈で、ベースの低音も武道館の床に轟く振幅まで感じられるよう。キニーDATが現場で吸い込んできたサウンドの総てが最上級に引き出されているのです。
その上で「OSAKA 1991」と同じく、ショウの完全版も実現。「Perfect Strangers」6分台の19秒間、「Knocking At Your Back Door」8分台の9秒間のカットを既発「DIFFICULT TO CONQUER」で補填。元々このカットは演奏とは関係ない曲間部分でもあり、そのまま放置しても大した問題ではないところなのですが、“完璧に完璧を期す”・“一瞬の不自然さも許さない”のポリシーの元に補填しました。
もちろん、そのポリシーに従った繋ぎの仕上げも完璧です。それ以上に大きいのは、地名・会場名を徹底的にカットしまくった既発「SLAVES AND MASTERS TOUR 1991」とは違い、録音そのままであること。もし既発をお持ちでしたら、ぜひ聞き比べていただきたい。既発では、ジョーが「東京!」と叫ぶシーンや「大阪から来たよ」「ゴールドディスクをありがとう」等々、録音場所がうかがわれそうなポイントはことごとく削られ、「Black Night」のエンディングでは、演奏に乗せて「東京!」と叫びますが、それさえも切り刻まれていた。本作では、その一部始終が現場通りに聴けるわけで、ショウのすべてを淀みなく体験することができる。その完全版が素晴らしいだけに止まらず、そこまで徹底していた90年代の初頭の業界ムードまで図らずも醸される1本なのです。
そんなパーフェクト仕様で完成したライヴは、まさに最高。ジョーの加入が物議を醸した時期ではあるものの、彼が歌うからこそ実現した「Burn」は、やはり今聴いても強烈に感動する。ジョン・ロードは1975年のDEEP PURPLEで、リッチーは1995年のRAINBOWで、この日本でも演奏してくれましたが、この両雄が並び立ち、あのソロを弾き繋ぐ……。後にも先にも、1991年にしかあり得なかった演奏がオリジナルDATならではの鮮度ぴちぴちサウンドで耳に注ぎ込まれる……なんて、素晴らしい!
そのジョーも、RAINBOW時代よりもハスキーで野太くなった声が逞しい。RAINBOW時代の伸びやかな声もそれはそれで良いのですが、この時代の方がHRシンガー然とした歌いっぷり。それがDEEP PURPLEのシャッフルなリズム、フリーなムードと組み合わされ、古き良きブルースロックの薫りが立ち上るのです。その声で歌われる「Black Night」「Lazy」、当時の新曲「Fire In The Basement」の生きの良いこと!
このカッコ良さは、イアン・ペイスのドラミングによるところも大きい。アルバム「SLAVES AND MASTERS」ではサンプリング疑惑も囁かれるほどに抑えられていたドラムですが、ここでは本生100%のペイス・ビートが弾けまくる。軽々にジョーを「ポール・ロジャース・タイプ」と断じるのには抵抗も感じますが、本場アメリカで黒人ブルースマン/ソウルシンガーを聴いて育ったのは事実ですし、本作でもその黒いルーツが透ける節回しを聴かせてくれる。それがペイスのスイング感の上で鮮やかに躍動するロック………当時はなにかと「RAINBOWすぎる」と言われたものですが、“ポップなRAINBOW”は一度忘れ、ブルースロックとして振り返ってみると、意外な本質に気づかされるライヴでもあるのです。
極上のキニー録音の真価をさらに引き出し、ジョー時代のトップ音源に名乗りを上げるまで鮮やかになった武道館最終公演。日本のステージに立つ“DEEP PURPLEのリッチー”最後の夜、そして、(現在のところ)リッチー最後の武道館公演です。その記念碑たるライヴを史上最高サウンドに仕上げた2枚組です。数々の伝説を刻んできた“ライヴ・アット・武道館”の最終章、どうぞたっぷりとご堪能ください。
Disc 1 (49:10)
1. Intro. 2. Burn 3. Black Night 4. Long Live Rock 'n' Roll 5. Child In Time
6. Black Night (Reprise) 7. Truth Hurts 8. The Cut Runs Deep 9. Hush
10. The Cut Runs Deep (Reprise) 11. Hey Joe 12. Perfect Strangers 13. Fire In The Basement
Disc 2 (49:39)
1. MC 2. Love Conquers All 3. Difficult To Cure 4. Keyboard Solo 5. Knocking At Your Back Door
6. Lazy 7. Highway Star 8. Smoke On The Water 9. Drum Solo 10. King Of Dreams
11. Woman From Tokyo 12. Smoke On The Water
Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass
Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums
(メーカーインフォによる)