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LED ZEPPELIN - FORT WORTH 1973(2CD)
Live at Tarrant County Convention Center, Fort Worth, TX. USA 19th May 1973 SBD
PAアウトからのサウンドボード録音が溢れ返らんばかりな流出が実現した1973年アメリカ・ツアーのファースト・レグ。厳密には当店がベスト・バージョンをリリースしたダラス公演SBDを収録したLP最末期アイテム「FRACTURED RIBS」が発掘のスタート地点だと言えるかもしれませんが、多くのマニアにとってはCD時代の20年間で発掘が続いた時期だと呼べるのではないでしょうか。そうした恵まれた状況ですので、音源が発掘されるそばから現在までに数多くのアイテムが生み出されてきました。こうした状況の中で意外とアイテムが恵まれておらず、それどころか10年以上に渡ってブランニュー・アイテムが途絶えてしまったのが今回リリースとなるフォートワース公演のSBD音源。
先に触れたダラスの次に行われた公演であり、ジェネ落ちカセット音源を乱発した懐かしのフライング・ディスクからのリリース(二つのタイトルにセパレートされてのリリース)で日の目を見たもの。しかしこの時期のSBD特有のショー不完全収録は仕方ないとして、それ以上に全体を通してのこもり気味な音質とヒスノイズが他の公演のSBDよりも耳障りであるという大きなマイナス・ポイントでした。
21世紀に入ってようやく「FORT WORTH EXPRESS」に「I’M WITH THE BAND」といった新時代に相応しいアップグレード・アイテムが登場しましたが、当時のテクノロジーの限界もあってか、イコライズを施したが故にヒスノイズが拡大されてしまったり、あるいは音のこもりが解消し切れないといった状態でのリリースだったのです。それにどちらのアイテムも10年以上前のリリース。もはやこれ以上のアップグレードは望めないとマニア間でも諦められたのでしょうか、2009年になってようやくロージェネ・バージョンのコピーが登場しても、さしたる注目を浴びなかったほどでした。今回はその見過ごされていたロージェネ・バージョンを元にしています。
この音源は2009年にWeedwackerを名乗る人物がアップロードしていたもの。彼のバージョンを元にしたZEPリリースとしては、最近だと「LA FORUM 1977 2ND NIGHT 4 SOURCE MIX」が記憶に新しいところ。彼によるフォートワースSBDはさすがにジェネレーションが明確なこともあって、元の音自体がそれまでのリリースよりもはっきりと良くなっているのがポイントでしょう。とはいっても「No Quarter」終演時、ボンゾのティンパニが鳴り止んだ途端に左チャンネルがオフになってしまい、それがプラントのMCの途中まで続く状態は今回も変わりません。過去のアイテムにおいてもこの箇所は出来るだけ目立たなくすべく処理が施されていましたが(最近ではこの箇所を放置したままのアイテムも登場しています)今回はさらに自然な状態へとリペア。普通に聞いていて何ら違和感を覚えないはず。
フォートワースSBDにおいてそれ以上に問題だったのがテープ後半、あるいはカセット裏面に相当する収録曲で生じた左チャンネルにおける音のこもり。これはマスター・カセットの経年によって起きてしまったのもだと推測されます。この問題を被ってしまったのが「Stairway To Heaven」。そのせいで過去のアイテムではこの曲だけ音質の落差が気になってしまうというジレンマが起きていたのですが、今回のリリースに当たって施したイコライズによって、その問題を大幅に解消。元の音源の素性が過去のアイテムよりも良かった所に加えての処理ですので、このアッパー感は相当なもの。
そして何よりも全体をとしてのヒスノイズの現象も元のWeedwackerが上手く処理を施していた上でさらに最新のマスタリング技術でさらなる手を打ちましたので、これまた聞きやすさが俄然向上したのです。それでいて、こもり気味ながらもナチュラル感が強い状態を損なうことなく、全体のバランスを整えました。
何よりもこの日の「Stairway To Heaven」がとてもいい感じの演奏ですので、これまでは一曲だけ劣化の目立つ状態というのが惜しかった。しかし今回のリリースで全体を違和感なく聞き通せるのだから、なおさらこの隠れた名演ぶりが堪能できることでしょう。秘訣は歌声が変わってしまい、唱法を変えざるを得なかったプラントの歌いっぷりがここにきて堂々たる雰囲気へと変化し始めたから。「Stairway To~」がZEP史上最大のスタンダードと化し、その反面「お約束感」も75年辺りから徐々にプラントの歌に芽生えてしまう。その点ここでのプラントは声が変わってしまったからこそ丁寧に、曲を大事に歌おうとしてみせた姿に心を打たれます。
一方でペイジは勢いこそあるものの、随所で面白い音の外し方が散見されます。この「Stairway To~」においても、ソロではいつもと違ったリフを繰り返したかと思えば、ギターのフレット上を余計に手が滑ってしまった(そろそろ汗かき体質も始まったことだし)的なプレイが見受けられます。しかし、これは後の彼のような体調的な問題からの乱れというよりも、むしろZEPが未開の地に踏み入れた大会場ステージングに慣れていない(モニターを使いこなせていない)こと、さらには随所で生じていたPAトラブルが問題であったように感じられます。実際にプラントも機材の不調を訴える場面が見受けられました。
そのせいでペイジが「Since I've Been Loving You」の始まりで余計に音を弾いてしまった場面などは最たる例でしょう。SBDだとこうした場面もはっきりと解るから聞いていて面白い。
ところが「Dazed And Confused」になるとペイジも一気に持ち直し、ボンゾと共にこの曲ならではのスリリングな駆け引きを見せてくれるのがさすが。全体的にはいつもの定型展開といった感じなのですが、「San Francisco」パートに入る前、あるいは終盤で曲に戻る前といった場面でこの時期では少し違った展開を見せており、中でも後半の戻りそうで戻らないというじらしぶりがお見事。
一見すると定番音源かつアイテム揃いと思われがちな73アメリカのファースト・レグ。さらにはSBD大会かとまで思わされる南部日程ですが、その中で一番見過ごされていたフォートワースSBD久々のアッパー版が限定のプレスCDにてリリースされます。これはもう一聴して解るくらい見事な仕上がり。おまけに演奏面でも面白い場面が多い日ときた。5月の南部SBDの中でも「まずは一枚」の定番にまで昇格したと、自信を持っておすすめいたします。これは是非聞いてみてほしい!
Disc 1 (61:56)
1. Intro. 2. Rock and Roll 3. Celebration Day 4. Black Dog 5. Over the Hills and Far Away
6. Misty Mountain Hop 7. Since I've Been Loving You
8. No Quarter ★10:43 - 11:17 左チャンネルの極端な音落ちをなるべく改善しました。
9. The Song Remains the Same 10. The Rain Song
Disc 2 (43:49)
1. MC 2. Dazed and Confused (incl. San Francisco) 3. Stairway to Heaven
SOUNDBOARD RECORDING
(メーカーインフォによる)