DEEP PURPLE - BLACK LIGHT(2CD)
Live at Johanneshovs Isstadion, Stockholm, Sweden 27th February 1987 PERFECT SOUND
DEEP PURPLEの「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」リリースに伴う1987年ツアーより、ヨーロッパツアー1stレッグの後半に当たる、2月27日のスウェーデン・ストックホルム公演が、新発 掘の優良オーディエンス・マスターを用いた、完全限定プレスCD2枚組でリリース決定です。本ライヴは従来から定番とされる録音が知られていますが、本作 は海外コレクター提供によるマスターを使用。既発録音を上回る優れたサウンドで、ハプニングを含むライヴを満喫できます。
DEEP PURPLEは「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」の発表後、'87年1月27日から29日までのハンガリー・ブダペスト3連続公演を皮切りにツアーをスタート。その後は2月いっぱいに渡って ドイツなどヨーロッパ各国をサーキットしました。その大詰めに当たる2月25日から28日にかけては、スウェーデンの各都市で3公演を行い、ヨーロッパ大 陸におけるツアーをひとまず締めくくります。本作はそのスウェーデン3公演から、2日目に当たる2月27日のストックホルム公演を収録しています。
前述したとおり、このライヴは以前から定番とされるオーディエンス録音が存在しています。その中でも状態の優れたマスターを用いて音盤化された「THE WILD WITHOUT RITCHIE」は、ギフト・タイトルでありながら通常リリースされても不思議の無いクオリティで、多くのファンを喜ばせました。
本録音は、その既発とも異なる完全新発掘のオーディエンス・マスターを元に、入念なリマスターと、主にアンコール部分での欠落補填(既発「THE WILD WITHOUT RITCHIE」のマスターを使用)を行った上でプレスCD化。同日オーディエンス録音の決定版にふさわしいと断言できるクオリティを実現しています。
ライヴのオープニングから、明度やクリアネスは聴き手にマスター・クオリティを確信させるはず。会場の盛り上がりもオンに捉えられていますが、楽音のダ イレクト感が素晴らしく、演奏や楽曲が聴き難いという事はありません。
サウンドボード級のバランスと音の近さで繰り広げられる「Highway Star」や「Strange Kind Of Woman」、さらに「Child In Time」など第二期ナンバーは大変な迫力で、聴き手もノックアウトされるに違いありません。ギランのヴォーカルはまずまずですが、リッチーやジョン、ペ イスにロジャーといった面々は、ライヴの随所でキラリと光るプレイを聴かせます。この当時はメンバーの意思疎通もまだ保たれていて、聴く者に一瞬も気を緩 ませないスリリングなショウを楽しませます。
再結成後の楽曲からチョイスされた「Perfect Strangers」や「Knocking At Your Backdoor」はすでに第二期の名曲にも負けない存在感を放ち、ライヴのハイライトを盛り上げます。さらにこの'87年ライヴ以外では演奏されていな い「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」ナンバーも大きな聴き所。3曲とも意外なくらいセットに馴染んでいて、中でも「Dead Or Alive」や「Hard Lovin' Woman」の聴き応えは確かなものがあります。
ライヴの後半「Difficult To Cure」や「Lazy」まではリッチーも機嫌良さそうにプレイしており、それにつられてギランや他のメンバーも楽しげな演奏を聴かせます。しかし 「Black Night」の後半で何故かリッチーが途中でステージを降りてしまい、ライヴのメイン・セットはなし崩し的に終了してしまいます(一説によればリッチーは 「観客の質が良くない」という理由で演奏を拒否したそうです。はっきりとは判りませんが「Black Night」の演奏中にリッチーの機嫌を損ねた観客がいたのかも知れません)。
大歓声を受けて始まったアンコールでは、まずギランがリッチーの不在を説明し、即興風の「She's All Right」から「Smoke On The Water」まで4人でライヴを続けます(なお、新マスターは「Black Night」後半から「She's All Right」にかけて欠落していたため、これらは「THE WILD WITHOUT RITCHIE」のマスターから補填しています)。
結局リッチーはアンコールを拒否したため4人での演奏となっており、この場面は同年ライヴでも指折りの聴き所となっています。アルバム中でもキャッチー な方向性を模索した「Call Of The Wild」はただでさえ珍しい選曲。さらにリッチー抜きでの演奏とあっては、ファンにとって絶対に聴き逃せないでしょう。ラストの「Smoke On The Water」も、ジョン主導の"オルガン・バージョン"として、必聴のパートと言えます。
なおこの時、バンドがギターを欠いた4人編成でも演奏した事にリッチーは腹を立てたとも言われています。「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」製作当時から悪化しつつあったリッチーとギランの関係を考えると、このハプニングも'89年のギラン解雇や'93年のリッチー脱退への"伏 線"として、重大な事件だったと言えるでしょう。
ライヴ中盤までの高いテンションの演奏、そしてギターがいないアンコール部分と、同様なものが二つとないオンリーワンのライヴは、資料としてもエンター テイメントとしても聴き応え満点です。再結成DEEP PURPLEのキャリアにおいても特筆されるライヴを、過去最上級のサウンドで105分に渡り収めた本音源は、きちんとしたプレスCDで残さねばなりませ ん。全てのDEEP PURPLEファンがコレクションしたい必聴必携の一本を、この機会にぜひお楽しみください!
★beatleg誌 vol.150(2013年1月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
1987年2月に行われた、アルバム『THE HOUSE OF BLUE LIGHT』のプロモーションに伴う短期間のスウェーデン・ツアーから、2月27日-ストックホルムでのステージを僅かにクリアさに欠けるものの良好な音 質のオーディエンス録音(一部欠落個所を既発音源で補填)で収録したプレスCD。セット・リストは、『PERFECT STRANGERS』のプロモーションにともなうツアーのセット・リストをベースに『THE HOUSE OF BLUE LIGHT』の曲をミックスしたものとなっている。
ステージはオープニングS.E.が流れる会場にバンドを待ち侘びる観客の歓声が上がる中、ペイスのリズ ムにバンドのサウンドが徐々にひとつになって「Highway Star」でスタートする。リッチーもギター・ソロの後半でギランとのユニゾンもあって、ノリの良さを感じることが出来る。
「Strange Kind Of Woman」のイントロをスムーズに弾けないリッチーは少し残念だが、それでも、ギランとの熱い掛け合いを聴いていると、まだ、両者の関係が破綻していな いことを窺わせてくれるだろう。リッチーとギランのユニゾンでイントロが奏でられる『THE HOUSE OF BLUE LIGHT』からの「The Unwritten Law」はペイスのドラム・ソロを挟んでライヴ映えする曲と言えるし、リッチーの「Blues」からスタートする「Dead Or Alive」も再結成DEEP PURPLEの曲の中でもファスト・チューンの名曲のひとつだろう。
ステージ終盤はジョンのキーボード・ソロから再結成DEEP PURPLE屈指の名曲「Knocking At Your Back Door」のイントロが会場に流れると観客の大きな歓声と手拍子が沸き起こり、バンドと観客が一体となって曲が進行するが、この日のギランは若干、不調さ を感じさせるものの何とか踏ん張って歌っている。「Space Truckin'」が未収録だが、この日の翌日(28日)のヨーテボリでのステージを収録したアイテムでも未収録な為、プレイされなかった可能性も否定出 来ない。
「Lazy」の前ではリッチーがリードしてお遊びプレイも飛び出すし、「Black Night」では「Knees Up Mothers Brown」などが飛び出してリッチーのノリも良かったと思われるが、曲の終盤でリッチーがステージを降りたようでリッチー不在のままエンディングを迎え ている。アンコールはギランが「リッチーはいないけど」というようなことを言いながら、リッチーを除く4人でプレイ。
「Call Of The Wild」はツアー序盤でしかプレイされなかったようで貴重なテイクと言えるが、リッチー不在でのプレイということもあり、より貴重度は高いと言えるだろ う。リッチーがステージを降りた理由は不明だが、これも、やはり、リッチーらしいということに尽きるレア・ライヴだ。
Disc 1(53:22)
1. Intro. 2. Highway Star 3. Strange Kind Of Woman 4. The Unwritten Law
5. Drums Solo/The Unwritten Law (reprise) 6. Blues 7. Dead Or Alive 8. Perfect Strangers
9. Hard Lovin' Woman 10. Child In Time
Disc 2(52:07)
1. Guitar Intro. 2. Difficult To Cure 3. Keyboard Solo 4. Knocking At Your Back Door
5. Lazy 6. Black Night (incl. Knees Up Mother Brown & Running Bear)
Encore
7. She's All Right 8. Call Of The Wild 9. Smoke On The Water
* The encores are without Ritchie Blackmore
Ritchie Blackmore - Guitar Ian Gillan - Vocal Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards
Ian Paice - Drums
(メーカーインフォによる)