1966年のオーストラリア・ツアーに焦点を合わせたライブ音源を収録したCDです。本ツアーは1965年のツアーに続いて2度目の同地でのツアーとなるもので、ライブ音源が残されなかった1965年のツアーとは異なり2本のコンサート中継と1本のTV出演が記録として残されています。本CDはその2本のライブ音源を1枚のCDにまとめたものです。
1本目は2月18日のシドニーでのステージを全曲収録したもの。以前「HE IS NOT DEAD」(VGP-017)で初登場した音源で、当盤も同じソースからの収録になります。VPG盤は再発時により質の良い音源に差し替えたものが使用されましたが、今回の新しいリリースでは音源の所有者が公開した最も新しいトランスファーのソースが使用されました。ラジオのオンエア音声からエアチェック収録された音源がソースで年代的にもなかなか高音質という訳にはいきませんが、これまで出た本音源のCD化の中では一番聴きやすく状態の良いものとなっています。ライブのスタート前には地元ラジオ局による空港到着のレポート音声、そしてインタビュアーによる空港での短いインタビューが初収録されています。このインタビュアーは実際のライブの冒頭のMCも担当するなど、この地元ラジオ局が公演に際して相当のバックアップをしていたことを伺わせます。
演奏曲もこの時期独特の選曲で、ステージでは'95年のSTRIPPEDまで封印されていた「THE SPIDER AND THE FLY」、'02年のリックス・ツアーまで一切演らなかった「THAT'S HOW STRONG MY LOVE IS」、'89年スティール・ホイールズ・ツアーまで出番の無かった「PLAY WITH FIRE」等々、レア曲が目を引きます。ラストの「SATISFACTION」のエンディングで被っていた時報の発信音のような音も綺麗に取り除かれています。
2本目のライブはやはりVGP-301でCD初登場した2月24日のメルボルン公演で、こちらは中継したラジオ局のマスターテープが残っており、そこからの収録ですのでシドニーに比べると音質はかなり上がります。オンエアに際していくらか編集がなされているため、「SATISFACTION」の中間部分が抜け落ちていたり数カ所でDJのコメントが挟まれていたりしますが、この時期のライブをこれだけの高音質でまとめて聴けるのは嬉しい限り。この時期の「MERCY MERCY」の音質の良いライブテイクは本音源でしか聴けない大変貴重なものです。今回はVGP盤で使用していた元マスターから丁寧にモノラルへトランスファーをし直して、なるべく原本に忠実にという意図のもとにEQ、コンプ等の電気処理を排除したストレートな音造りとなっています。オフィシャル発売されたEP盤、LP盤の「GOT LIVE IF YOU WANT IT!」とはかなり異なった音造りで、メンバー全員の年齢がが20代前半の頃の若々しいエネルギッシュなステージを是非この新リマスターで堪能して下さい。
アートワークにはシドニーでのライブ当日の実際のフォトを使用。紙テープが舞う中、アイドル時代全開のステージの様子が見られます。ボーナストラックには「AS TEARS GO BY」のストリングスが左右に綺麗に分離したステレオバージョン、'67年12月のBBCテレビ、トップ・オブ・ザ・ポップス出演時の「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」のライブバージョンの2曲を収録。後者は近年オンエアされたビデオソースからの音声で、これまで聴かれてきた16mmフィルムにテレシネされた光学録音の音声トラックよりも格段に音質が向上しています。
(メーカーインフォによる）
