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THE ROLLING STONES - THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE(2CD)
Grugahalle, Essen, West Germany 10th October 1973 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE)

 

　「GRAF ZEPPELIN」によるストーンズのヨーロッパ73復刻シリーズ、今回は10月10日のエッセン。この日はというとマニアなら『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』というLPを思い浮かべるであろう有名なショー。何しろ1973年当時のオーディエンス録音としては衝撃的なほどに高音質で、あまりの音像の近さから未だにサウンドボード録音だと誤解されるほど強烈な録音状態。それに鮮度がまた抜群で、もしこれが完全収録だったら…と夢想したくなるほどハイクオリティなオーディエンス録音のインパクトは未だに色褪せていません。

　そんな衝撃の極上オーディエンスの初出LPは当然ヨーロッパ製『STONES ON STAGE』というリアタイ・リリースによるものでした。それに目を付けTMOQからブランドを鞍替えしたTAKRLのケンが同盤を目ざとくコピー。それが『THE JEAN CLARKE MAMMORIAL SONIC BARBECUE』でして、世界中のマニアからすれば同タイトルでこの驚愕オーディエンスに触れた人がほとんどなはずでして、実際カラージャケでリーズ71と抱き合わせた再発盤『SONIC BARBECUE』もまた好セールスを記録する程でした。

　こうしてコピー盤に席巻された市場に見かねてか、1980年になって『STONES ON STAGE』を出していた大元がCaution!というレーベルと『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』の名の下で再発。その独特なタイトルや『STICKY FINGERS』の宣伝用ポップのミックが窓から顔を出す不思議なカラージャケ（しかもミックの顔には髭が加えられている）の魅力が功を奏し大ベストセラー。しばらくの間『STONES ON STAGE』の存在は知られておらず、当時は後発『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』が何故音が良いのだろう…と不思議がられたものですが、この音質の差にはそうした背景があったのです。

 

　あいにく『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』（以下“Caution盤”と称します）の元になった超絶オーディエンスは元音源が未だに発掘されていません。しかし同盤がエッセンだけでなくハンブルグからのテイクも混ざっていることから推測するに、何らかの問題でショーのすべてが録音できなかったのではないでしょうか。もし完全に録音ができていたのであれば二枚組でリリースされていたはず。

　おかげでCD時代を迎えてもCaution盤からコピーするしかなく、多くのマニアにとってはMidnight Beat版『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』でこの極上オーディエンスに触れた方がほとんどではないでしょうか。その後もVGPやDACがそれぞれに『THE STARS～』や『THE JEAN CLARKE MAMMORIAL SONIC BARBECUE』の名の下でCDバージョンをリリースしていましたが、その後に発掘された同日の別音源と合わせたDAC盤『THE STARS～』がCD版ベストの座を獲得していました。

 

　とはいえDACのリリースも早10年の歳月が過ぎ、これまでの「GRAF ZEPPELIN」プロデュースによるヨーロッパ73シリーズ同様、最新のテクノロジーを駆使したアッパー版でエッセンが生まれ変わる時がやってきたのです。

　一枚目は当然Caution盤LPからの最新技術を駆使した「GRAF ZEPPELIN」ならではの緻密なトランスファーでDAC盤との音質の差は歴然。DAC盤は中域を強調することでただでさえ近かったミックの歌声がさらに目立つというメリットがあったものの、その処理のせいで全体的な音質はTAKRL『THE JEAN CLARKE MAMMORIAL SONIC BARBECUE』のそれに近いものがありました。

　しかし今回は「GRAF ZEPPELIN」がCaution盤LP本来の自然で深みのある音質を見事にCDで再現し、なおかつスクラッチ・ノイズは皆無。もしCaution盤をお持ちの方なら「これぞ！」と聞いていてにんまりされるはずですし、この音源に初めて触れられる方ならあまりに迫力のある音像に圧倒されることかと。

 

　そして二枚目は近年発掘されたエッセン公演の全長版オーディエンスを収録。こちらもDAC盤に収録済みではありましたが、やはり今回は「GRAF ZEPPELIN」の緻密なマスタリングによってヒスノイズのレベルが自然でより落ち着いて聞き込める状態へと生まれ変わっています。

　確かにCaution盤の超絶オーディエンスとは比べ物になりませんが、こちらもモノラル録音ながら73年音源としては十分に高音質。何よりCaution盤では伺い知れなかったショー全体が明らかになったという価値はあまりにも高い。またDAC盤と同時期にリリースされた『ESSEN 1973 REVISTED』のようなエフェクトで演出するという無粋なマネも一切なし。改めてCaution盤では伝えきれなかったこの日の素晴らしさを捉えた貴重なドキュメントとして楽しんでもらえることでしょう。

　それにCaution盤ではハンブルグのテイクに取って代わられた「Star Star」、何と言ってもそこでは聞けなかった「Midnight Rambler」のこれぞヨーロッパ73と言うべき振り切れた演奏は絶品。Caution盤の最後に収録されていたミックの「照明を明るくして」MCが実際には「Jumping Jack Flash」の場面であったことが解るのも別音源ならでは。そして今回は本音源の欠損部をCaution盤からモノ化した上でパッチした最長収録まで実現。今回も「GRAF ZEPPELIN」によってエッセン73が最新ベストバージョンへと生まれ変わりました！

 

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（リマスター・メモ）

★'73年10月10日エッセン公演のアナログLP起こしとテープソースのカップリング盤
Disc 1: Taken From The LP "THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE" (CAUTION)
Disc 2: テープソースRec3をベースに欠落部をLPとRec2で補填

 

★Disc 1はアナログLP盤よりダイレクトにデジタル化のうえスクラッチノイズはピンポイントで除去。
音は非常に近く、低域もかなり出ていて迫力とドライブ感のあるステレオ・サウンドで、サウンドボードと間違われるのも無理はないグレート・サウンド！

 

★Disc 2はRecorder 3とされるモノラルオーディエンス録音をベースにライブ開始のイントロ部とYou Can't Always Get What You WantとMidnight Ramblerの曲間をアナログLP盤とRecorder2音源を駆使し補填、全曲完全収録を実現！

直近既発DAC盤では幾分スプレーノイズが強調され、なおかつ中域を持ち上げ、10khz以上の高域を思い切りカットしておりましたが、本盤ではバランス重視でスプレーノイズ臭もさほど気にならずに堪能頂けます。

何しろDisc1のアナログLPパートが極上だけに霞んでしまうDisc2のテープパートですが、このメインのソース、
若干距離感こそありますが非常にクリアで73年ものとしては間違いなく上位にランクされるサウンドです。

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01. Gimme Shelter
02. Happy
03. Tumbling Dice
04. Star Star * ★ハンブルグ公演
05. Doo Doo Doo Doo Doo * ★ハンブルグ公演
06. Dancing With Mr. D.
07. Angie
08. You Can't Always Get What You Want

01. Introduction ★0:00-0:23 Rec2で補填
02. Brown Sugar
03. Gimme Shelter
04. Happy
05. Tumbling Dice
06. Star Star
07. Dancing With Mr. D.
08. Angie
09. You Can't Always Get What You Want ★10:50-11:03 LPをモノ化のうえ補填 / 11:03以降 Rec2で補填
10. Midnight Rambler ★0:00-0:04 Rec2で補填
11. Honky Tonk Women
12. All Down The Line
13. Rip This Joint
14. Jumping Jack Flash
15. Street Fighting Man