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THE BEATLES - LIVE UPGRADES(2CD)
MasterJedi、覚えていますか？ビートルズのアセテート音源のわかりやすい集大成だったベストセラー「LAST LACQUERS」を作り上げてくれた、あのマニアです。その後の彼はそれほどマニアの驚かせるようなタイトルを発表せず、やや活動停止気味だったのですが、最近になって久しぶりに新作をネット上に公開してくれました。それが「LIVE UPGRADES」。今回MasterJediがまとめ上げたのはビートルズのテレビ放送されたライブ音源の音声をまとめたサウンドボード・コレクション・アルバム。そのメインフィーチャーが武道館二回のステージ音源であることからもわかるように、ビートルズの有名ライブ映像音源がズラリとまとめられています。
言うまでもないことですがビートルズのライブ音源の発掘は出尽くした感があり、現在は居並ぶ音源のアップグレードに力点が置かれています。そうした状況の中でMasterJediはテレビで放送されたライブ音源のリマスターに着手。ただでさえマスタリングのセンスが抜群な彼ですが、それは最初のディスクに収録された武道館6月30日を聞けば一目瞭然。うーん、これは実にナチュラルで耳に優しいではありませんか。同音源はそもそもの録音状態からしてリンゴのシンバルがうねりがちな状態だったのですが、それが緩和されているのはもちろん、ライブ全体のしっとりとした仕上がりが実に素晴らしい。このパートだけでも思わず聞き惚れてしまうレベル。それの仕上がりが物語っていたように、MasterJediが今回目指したイコライズのコンセプト、それは「ナチュラルさ」に他なりません。
今回のタイトルで彼が目指したイコライズもう一つの狙いは、1960年代初頭のテレビ放送音源にありがちな「音の薄さ」を解消すること。この点に着眼したMasterJediのイコライズは効果抜群で、驚く自然な音の厚みやメリハリを実現させています。それが顕著なのが1963年のロイヤル・バラエティ・パフォーマンスと65年のブラックプール・ナイト・アウト。奇しくもイギリスでの放送音源ですが、それと同時にどちらもアンソロジーに音声が収録された放送でもあります。
MasterJediはどちらもアンソロジーの2011年バージョンを元にイコライズや欠損部の補填といったアジャストを行っていますが、これが見違えるほどの出来栄え。スピーカーからはもちろん、ヘッドフォンで聞いてもその効果を実感できるほど。たとえ初心者が聞いても「サウンドボードだけどしょぼい音」に映らない仕上がりはお見事としか言いようがありません。
そして二枚目の幕を開ける武道館7月1日の仕上がりも今回の目玉。武道館二日間は面白いことにお蔵入りした前日の方がボーカル・バランスに優れているのですが、恐らくはオーディエンスの熱狂が捉えられていないことをブライアン・エプスタインから指摘されたせいでしょうか、こちらは観客の歓声がよく聞こえる分ビートルズのボーカル・レベルが低くなってしまったのです。さらには微妙に音が割れるというジレンマも抱えていた状態だったのですが、それもMasterJediは一気に聞きやすい状態と仕上げてくれている。もちろん我々からすると耳タコな武道館音源ですが、どちらの日もその仕上がりはマニアを驚かせるに十分なもの。
このように単にライブ演奏の音声をまとめただけに留まらず、音質を一から見直して丁寧にイコライズしてくれたのが今回のMasterJediなのです。よって見事なサウンドボード・ライブ・コレクションに仕上がっており、マニアはもちろん初心者が聞いても大いに楽しめるクオリティの高さを保証します。
そんなMasterJediのこだわりは何とボーナストラックにまで及びます。そこに収録されているのは66年ミュンヘン公演のニュース映像だけで聞かれる演奏であり、収録状態は実質的にオーディンス録音。よってこのパートだけはマニア向けとなるのですが、このパートまでナチュラルに仕上げられているのがさすが。彼のライバルとも呼べるColtturkeyが「ULTIMATE LIVE COLLECTION」で同じ音源を採用した際には激烈なイコライズを施していたのに対し、今回の方がはるかに聞きやすく整えられているのです。
さらに渋いところでは64年のパリがピラミッド盤ことビンテージCD「LIVE IN PARIS 1964 AND IN SAN FRANCISCO 1966」からリマスターしているところでしょう。80年代半ばに発掘されたパリ64年音源パートは元々ナチュラルさ抜群な音源でしたが、その反面こもり気味なきらいがありました。そこでMasterJediはこの問題を解消して一気に音の抜けを良くしてくれたのですが、その仕上がりはあくまでナチュラル。こうした彼のこだわりがすみずみまで行き届いたビートルズ・ライブのサウンドボード・ライブ・ベスト・アルバム。マニアから初心者まで安心して楽しめる仕上がりは今回も凄く解りやすくて凄く聞きやすい！
Disc 1 (70:53)
Budokan, Tokyo, Japan 30th June 1966
1. Introduction
2. Rock And Roll Music
3. She's A Woman
4. If I Needed Someone
5. Day Tripper
6. Baby's In Black
7. I Feel Fine
8. Yesterday
9. I Wanna Be Your Man
10. Nowhere Man
11. Paperback Writer
12. I'm Down
Drop In, Stockholm, Sweden 3rd November 1963
13. Introduction
14. She Loves You
15. Twist And Shout
16. I Saw Her Standing There
17. Long Tall Sally
18. Drop In Theme
Royal Variety Performance The Prince of Wales Theatre, London, UK 4th November 1963
19. From Me To You
20. She Loves You
21. Till There Was You
22. Twist and Shout
ABC Cinema, Manchester, UK 20th November 1963
23. She Loves You
24. Twist And Shout
25. From Me To You (reprise)
Olympia Theatre, Paris, France 16th January 1964 Late Show
26. From Me To You
27. This Boy
28. I Want To Hold Your Hand
29. She Loves You
30. Twist And Shout
31. Outro
Disc 2 (77:59)
Budokan, Tokyo, Japan 1st July 1966
1. Introduction
2. Rock And Roll Music
3. She's A Woman
4. If I Needed Someone
5. Day Tripper
6. Baby's In Black
7. I Feel Fine
8. Yesterday
9. I Wanna Be Your Man
10. Nowhere Man
11. Paperback Writer
12. I'm Down
Shindig! London, UK 3rd October 1964
13. Kansas City-Hey Hey Hey Hey (undubbed)
14. Kansas City-Hey Hey Hey Hey
15. I'm A Loser
16. Boys
ABC Theatre Blackpool, UK 1st August 1965
17. I Feel Fine
18. I'm Down
19. Act Naturally
20. Ticket To Ride
21. Yesterday
22. Help!
23. Outro
Circus-Krone-Bau, Munich, Germany 24th June 1966
24. Tuning (evening)
25. Rock And Roll Music (evening)
26. She's A Woman fragment (evening)
27. Baby's In Black (afternoon)
28. I Feel Fine (afternoon)
29. Yesterday (afternoon)
30. Nowhere Man (evening)
31. I'm Down (evening)
Bonus Tracks
32. I Wanna Be Your Man (afternoon)
33. I'm Down (afternoon)
34. Longer Tuning (afternoon)
(メーカーインフォによる）
