JEFF BECK - DEFINITIVE AUSTIN 2018(2CD)
Live at the Moody Theater, Austin, Texas, USA 26th July 2018 ULTIMATE SOUND
女性チェリスト、ヴァネッサ・フリーバーン・スミスを迎えた2018年型のジェフ・ベック。その真価を伝える超極上ライヴアルバムがプレス2CDの究極仕様で登場です。
現在、2018年に予定されていた全日程を終えてオフに入っているジェフ。当店では、これまでツアー開始直後からさまざまなライヴアルバム/映像で最新ジェフの動向をレポートしてきました。しかし、それらはすべてCDR/DVDR。いずれも素晴らしいクオリティの傑作ばかりではあったものの、「コレぞ、2018年の象徴」という超決定盤には至らなかったのです。しかし、ツアーを終えた現在、世界中のマニアが音源の総括に入り、No.1決定戦を繰り広げている。本作は、そんなマニア達が出した結論。“2018年の最新型ジェフ”を真空パックした超極上オーディエンス録音なのです。
【ほんの数回だけのフルスケール公演】
そんな本作に記録されているのは「2018年7月26日オースティン公演」。ポール・ロジャースやアン・ウィルソンとの合同ツアー“STARS ALIGN TOUR”の一幕です。まずは、最新型ジェフが公に姿を現した2018年ツアー日程の中でショウのポジションを確認してみましょう。
・6月8日-7月9日:欧州(19公演)
《STARS ALIGN TOUR》
・7月18日-8月26日:北米(27公演)←★ココ★
以上、全46公演。本作のオースティン公演は「北米」7公演目にあたるコンサートでした。初夏の欧州レッグは単独ツアーで、真夏の北米レッグは“STARS ALIGN TOUR”だったわけですが、全公演がカップリングだったわけでもない。数公演(10公演弱)ではポール・ロジャースが不参加。その日はジェフの持ち時間も長く、フルスケールのショウとなりました。そして、本作もまたそんなフルショウの1つだったわけです。
【最新アンサンブルを描く究極サウンド】
そんなロングショウも嬉しいのですが、やはり最大のポイントは圧倒的なサウンド・クオリティ。当店ではこれまで幾多の傑作ライヴアルバムをご紹介して参りましたが、正直言って本作は格が違う。世界の名手が愛用する名機「Schoeps MK4」を採用したサウンドは猛烈にダイレクトで図太く、それでいて究めて艶やか。距離がまったく感じられず、ヘッドフォンで耳を澄ませても会場反響が聴き取れないのですが、だからと言って出力音丸出しよりも遙かに美しい。ギターはささやかなアーミングの揺らぎさえもビビッドに感じられ、ドラムはバスドラ1発の立ち上がりから消音まで綺麗な山を描く。そして、新加入したヴァネッサ嬢のチェロ。時にジェフの悪戯ギターを色っぽく支え、時に厳粛に絡んでいくのですが、そのラインの鮮やかさ、ヴァイヴの深みと言ったら……。まさに音の美。芸術のサウンドなのです。
この鮮やかさと色っぽさは、サウンドボードと言うよりは「まるでオフィシャル作品」なのです。しかも、ナチュラル。精緻に磨き込まれた公式品レベルの美音でありつつ、その鳴りには作為が感じられず、現場そのものとしか思えない現実感が宿っている。オーディオ的にはオフィシャル級でありながら一発録りの品格まで備えた希代の銘品録音なのです。
それだけの傑出したサウンドですが、録音しっぱなしの録って出しでもありません。実は、ネットに登場した原音はやや低音に偏っており、演奏が始まってから録音のボリューム調整をしていた。さらに、左右の音圧バランスも微妙に不自然で、本来のクリアさが生かし切れていなかった。トータルでは演奏がやや引っ込み気味にも聞こえてしまったのです。そこで、本作では原音の可能性を最大限に引き出す細心リマスタリングを実施。元々のナチュラルな感触には手を加えず、音域とステレオ感、それに変化するボリュームを丁寧に調整。その結果、ズバ抜けた安定感と自然なバランスが遙かに向上。演奏もグッと前面に感じられ、録音自体が持っていた「オフィシャル級の気品」を存分に味わえる超美音を実現したのです。
【究極サウンドに相応しい絶好調の熱演】
そんな極めつけサウンドで描かれる2018年の熱演。先にヨーロッパを巡っただけにアンサンブルもこなれ、北米の仕切り直しからも7公演を経てきっちりエンジンも暖まっている。さらにツアー本編はカップリングのショートセットだったこともあって、疲れもなし。肝心要のジェフのギターもキレッキレですが、バンド全体が絶好調。「Stratus」で轟く凄まじいヴィニー・カリウタのドラミング、「Just for Fun」でそのドラムとバトルを繰り広げるロンダ・スミスのベースも凄い躍動感。まるで本作のために他公演が短く済ませていたかのように、万全のコンディションで約93分のフルセットを駆け抜けるのです。
そして、ショート版から追加されたのは「Star Cycle」「A Change Is Gonna Come」「You Never Know」「Blue Wind」「Corpus Christi Carol」の5曲。先日リリースされて大好評となっている『WOLF TRAP 2018(Uxbridge 883)』と同じセットですが、究極サウンドで描かれると更に素晴らしい。現場のリアルな熱狂は吸い込んでいるものの演奏中の会話声がなく、醸成されていく演奏の熱気をマトモに浴びられるのです。
ツアーNo.1のサウンド、長尺のセット、そして気合いの入った熱演……。まさに“2018年のジェフ・ベック”を象徴するに相応しい超極上のライヴアルバムです。現在の新アンサンブルをこれからも続けていくのか、スタジオなりライヴ盤なりで公式に残していくのか。それは今の段階でも未知数ですが、もし実現しなかったとしても本作がある。
チェロを加えてより壮大に、より厳粛に、よりロマンティックに生まれ変わった最新ジェフ・ベック。その素晴らしい音世界を永久保存するプレスCD2枚組。どうぞ、心ゆくまで存分にご堪能ください。
Disc 1 (52:01)
1. Pull It 2. Stratus 3. Nadia 4. You Know You Know 5. Morning Dew 6. I Have to Laugh
7. Star Cycle 8. Lonnie on the Move 9. Mna na h-Eireann 10. Just for Fun
11. Little Wing 12. A Change Is Gonna Come
Disc 2 (40:43)
1. Big Block 2. Cause We've Ended as Lovers 3. You Never Know 4. Brush With the Blues
5. Blue Wind 6. Superstition 7. A Day in the Life 8. Band Introductions
9. Corpus Christi Carol 10. Going Down
Jeff Beck - Guitar Rhonda Smith - Bass Vinnie Colaiuta - Drums
Jimmy Hall - Vocal Vanessa Freebairn-Smith - Cello
(メーカーインフォによる)