DAVID BOWIE - BRIDGE BENEFIT 1996 MASTER(CDR, White Label)
Shoreline Amphitheatre, San Francisco, USA 19th & 20th October 1996 STEREO SBD
1996年のスペシャル・パフォーマンスをステレオ・サウンドボードで収めたライヴアルバムが復活です。本作が録音されたのは、ニール・ヤングが主催する第10回“BRIDGE SCHOOL BENEFIT”で、「1996年10月19日・20日」の2日間。ボウイ(ボーカル&アコースティック・ギター)、リーブズ・ガブレルズ(ギター)、ゲイル・アン・ドーシー(ベース)のトリオ編成でした。本作は、そんな特別なパフォーマンスを、マスター・ダイレクトの超高音質ステレオ・サウンドボード録音で完全収録したもの。TRIALレーベルからリリースされ、大好評を賜ったライヴアルバムなのです。
パーフェクトなサウンドボードの鮮烈な楽音で描かれるパフォーマンスは、トリオのシンプルなアンサンブルということもあって、1音1音まで超鮮明。ボウイの歌声は、呼吸まで聞こえてきそうなほどに間近で、まさしく頭の中でライヴが行われているかのよう。“耳元サウンド”を越える直結感で、たっぷりと味わえるのです。本公演は映像も有名ですが、そこで聴かれるライン録音と本盤の音はまるで別次元。「倍くらい音が良い」それはもうまさにマスターダイレクトの成せる絶品のクオリティなのです。
そんなサウンドで繰り広げられる2日間のライヴは、「Aladdin Sane」「The Jean Genie」「I Can't Read」「The Man Who Sold The World」「Heroes」の5曲を軸に、日替わりのオマケ曲を挟む構成。最大の聴きどころは、通常ライヴとは違うリラックスしたボウイの表情です。初日の「I'm A Hog For You」では、突然歌い出すボウイにゲイルが大ウケしますし、悪戯っぽくTHE WHOの「Anyway Anyhow Anywhere」を口ずさむのも面白い。2日目でも「You and I and George」を独りで突如歌い出すなど、実にプライベートな雰囲気が楽しい。そんなシンプルで親しげな演奏が歓声も遠いステレオ・サウンドボードで描かれると、まるでリハーサルルームか自宅のリビングかのような密着感まで感じられるのです。
また、ボウイのアコギをメインにしたトリオ編成ならではの斬新なアレンジも聴きもの。「”Heroes”」のイントロもほとんど別曲になっていますし、「China Girl」「Let's Dance」も新鮮。さらに驚くのは「Aladdin Sane」のアバンギャルドなピアノソロをリーヴズがギターで再現するシーン。音だけ聴くとピアノにしか聞こえないのですが、これがギターの演奏なのです。親しげでありながら、1曲1曲に込められた意気込みと労力は、まさにプロフェッショナル。そんなボウイの両面が自然と融和している不思議なショウなのです。
普段の通常バンドとはまったく違う、ボウイの素顔が浮かぶようなスペシャル・パフォーマンス。それを極上のステレオ・サウンドボードで描ききった1本です。プライベートなムードと超高音質のクオリティを併せ持った、2本とない特別なライヴアルバム。日本では見たことのない彼の一面に会える1本、この機会にぜひお試しください。
★beatleg誌 vol.82(2007年5月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
ニール・ヤングが開催する障害児のためのイベント「ブリッジ・スクール・ベネフィット」も今では毎年行われる一つのイベントとして定着してきた感があるが、1996年に登場したデヴィッド・ボウイのショウが超高音質サウンドボードでリリースされた。1996年10月19日、20日の二日間に渡って行われたショウの全てを収録したもので、基本的にはアコースティック・ショウなのだが、ボウイの場合はベースのゲイル・アン・ドーシーとギターのリーヴス・カブレルスの驚異的なアコースティック奏法が聴ける素晴らしいライヴとなっているのでお薦めだ。「アラディン・セイン」では、マイク・ガースンの奏でていた冷たい旋律をなんとギターで奏でるというとんでもないテクニックを披露。両日ともに「I Can't Read」の前では即興的なお遊びソングが挿入されており、リラックスしたライヴの様相が聴けるもので、やや2日目の方が調子が良いといったところか。音質面では完全にオフィシャルと差が無いクオリティのため、全く問題ない一枚だ。どこか退廃的な雰囲気の曲ばかりを持ってきたボウイの時代を象徴するナイスなライヴ。
(71:09)
Live at Shoreline Amphitheatre, San Francisco, USA 19th October 1996
1. Aladdin Sane 2. The Jean Genie 3. I'm A Hog For You 4. I Can't Read
5. The Man Who Sold The World 6. Heroes 7. Let's Dance
Live at Shoreline Amphitheatre, San Francisco, USA 20th October 1996
8. Aladdin Sane 9. The Jean Genie 10. You and I and George 11. I Can't Read
12. The Man Who Sold The World 13. China Girl 14. Heroes 15. White Light / White Heat
David Bowie - Vocal & Guitar Reeves Gabrels - Guitar Gail Ann Dorsey - Bass
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
(メーカーインフォメーションによる)