長い長いSABBATH史上でも、“最も過小評価された実力派時代”を史上最高のサウンドで楽しめる２枚組プレスCDが登場です！ 本作が記録されたのは、1995年の来日２公演目に当たる11月21日の名古屋公演。録音者本人から提供された、完全初登場のオリジナルDATマスターから極上のライヴ・アルバムに仕上げました！
“最も過小評価された実力派”……それは、「FORBIDDEN」ツアーの後期のみに誕生したラインナップ。アイオミ／マーティン／マーレイに加え、急遽脱退したコージー・パウエルに代わってボビー・ロンディネリがキットに座った４人です。全員が“呼び戻し組”で編成されただけに新味がなく、ほとんど注目されなかった４人。しかし、腕が確かであるからこそ呼び戻された実力メンバーがズラリとそろい、楽曲に対する理解も抜群です。
「なんだ、コージーじゃないのか」と思われた方もいるでしょう。確かに人気で劣るロンディネリなのに、なぜプレスに踏み切ったのか？ そうせざるを得ないほどに充実したライヴ、そしてスーパー・サウンドだからです！
1995年と言えば、すでに20年近い時間が経っています。少し、当時を振り返ってみましょう。当時リリースされた『FORBIDDEN』は、コージー・パウエルそしてニール・マーレイのバンド復帰という一大トピックがありつつも、コージーはツアー途中で脱退。ツアー後にはバンドが解体し、BLACK SABBATHはオリジナル・ラインナップの再結成という歴史的うねりに巻き込まれていきました。
しかし、いかに時間が経とうとも、トニー・マーティン時代に築かれた様式美サウンドの魅力は、微塵も翳ってはいません！ オジーSABBATHが転換点を迎えようとしている2014年の今こそ、マニアの皆さんには、マーティン時代をもう一度見つめ直して頂きたいと思うのです。
今回はそれにふさわしい最高の録音が、最高音質のオーディエンス・ソースで発掘されました！ 本作はトレーダー間でも一切知られていないオリジナルDATマスターからの完全収録。ステージ上で繰り広げられた楽音の全てを、端正な音像と極上の安定感、そしてライヴリーなサウンドで蘇らせる。19年前に訪れた"マーティン・サバス最後のツアー"を知る上で、本作はこれ以上ないほど理想的な一本なのです！
ディスクを再生すると、マーティン時代を代表するオープニング・イントロ「Ave Satani」そして「The Gates Of Hell」が鳴り響き、ライヴの幕開けを厳かに告げる。本録音はこのオープニングS.E.から、まるでライン音源のような明瞭さと抜群の安定感で録音しているのです。この端正なサウンドは「Children Of The Grave」で演奏がスタートして以降、ますますその本領を発揮。観客の歓声は臨場感を醸すために必要な範囲内で捉えられ、盛り上がりのみをストレスフリーに演出する。さらにマーティンの歌唱とアイオミのギターをダイナミックに描きながら、ドラムとベースも分厚く、色濃く際立たせます。
中でも素晴らしいのがニール・マーレイのベース！ この『FORBIDDEN』ツアーでは、どのライヴでもニールのベースが大きめにフィーチャーされてはいました。しかしこれ程までに彼のプレイを細かく、迫力満点に聴き取れるオーディエンス録音が、これまであったでしょうか！？ 「Neon Knights」や「The Shining」におけるベースノートの豊かさはもはや感涙レベル。特に後者はアイオミのソロ、マーティンの歌唱も素晴らしいの一言で、ライヴ前半の大きな聴き所と言えます（これに匹敵するサバスの'95年音源は、大定番サウンドボードの『BLOODY WIZARD』くらいでしょう）！
この当時のマーティンは、しばしば「声が衰えた」と批判されます。突き抜けるようなハイトーンは確かに影を潜めましたが、この'95年ツアーは'87年や'89年頃には感じられなかった「旨み」や「説得力」がある。
「The Wizard」や「Kiss Of Death」，「Rusty Angels」・「Can't Get Close Enough」でのブルージーな歌い回し、陰影に富んだ表現は、オジーやロニーら偉大な前任者とも異なる、独自の個性を感じさせます。これらの楽曲で聴けるマーティンの歌唱と職人的なニールのベースの組み合わせは何とも味わい深い。それを最もよく表すのが、本録音での「When Death Calls」でしょう！ いぶし銀のようなこの輝きこそ、懐の深いブリティッシュ・ロックの魅力そのもの！
後半は「Black Sabbath」に、合計して約15分間の「Heaven And Hell」が連発され、場内の興奮をピークに導きます。ラストは「Iron Man」と「Paranoid」のメドレーが、熱気に包まれたライヴを見事にクロージングします！ 演奏・録音ともに'95年ライヴ屈指と言えるだけに、直前の東京公演（11月19日）でセットインしていた「Changes」が聴けないのは何とも残念です。
ドゥームとへヴィネスを世に生み出したオジー時代、気高く壮大な音世界で他を圧したロニー時代と比較した時、期間的にも音楽的な功績でも、マーティン時代は控えめな存在かも知れません。しかしメロディアスな楽曲と、ミステリアスで独特なムードが織りなす世界観は、これもまた唯一無二のサバス・サウンド。中でもマーティン時代の後期は一種のブルース・フィーリングを湛え、他の時代と一線を画する個性を確立していた。そしてこの'95年ライヴこそ、その魅力を最も味わえる時代だったと言えるでしょう。
唯我独尊を貫くようでありながら、ヴォーカリストによって表情が変わるサバスの魅力を、本作でじっくりと味わってください。サバスを信奉するマニアは言うに及ばず、メロディアスなロックを愛するファンにとって、本作は見過ごせないマスト・アイテム。サバス史のターニング・ポイントをリアルに活写した一本が、ファン必聴必携の完全限定プレスCD２枚組でリリース決定です！
★1995年日本ツアーのフライヤーのレプリカ付き。
Disc 1(58:41)
1. Ave Satani/The Gates Of Hell 2. Children Of The Grave 3. Neon Knights 4. The Shining
5. The Wizard 6. Kiss Of Death 7. Headless Cross 8. Rusty Angels 9. When Death Calls
10. Sabbath Bloody Sabbath
Disc 2(60:36)
1. Can't Get Close Enough 2. War Pigs 3. Drum Solo 4. The Mob Rules 5. Black Sabbath
6. Heaven And Hell 7. Guitar Solo 8. Heaven And Hell(reprise) 9. Iron Man 10. Paranoid
Tony Iommi - Lead Guitar Tony Martin - Lead Vocals Neil Murray - Bass
Bobby Rondinelli - Drums Geoff Nicholls - Keyboards
（メーカーインフォによる）
