RAINBOW - LONDON 1983 2ND NIGHT(2CD)
Live at Michael Sobell Sports Centre, Finsbury Park, London, UK 18th September 1983 PERFECT SOUND
Taken from the original 3LP "WORLD TOUR 1983-84"(XL1556/1557/1558)
貴重な“BENT OUT OF SHAPE TOUR 1983-1984”の本国イギリス公演を収めたキニー録音が復刻です。このツアーはRAINBOW史上でも最も短いツアーと知られ、録音の数も極めて限られています。本作はそんな貴重な記録のひとつ、「1983年9月18日ロンドン公演」のオーディエンス・アルバムです。“BENT OUT OF SHAPE TOUR”というと、日本公演がすぐに浮かびますが、まずはツアーの全容から振り返ってみましょう。
・1983年9月6日-23日:英国(13公演) ←★ココ★
・1983年9月28日-10月7日:北欧(5公演)
・1983年10月28日-12月4日:北米(23公演)
・1984年3月11日-14日:日本(3公演)
以上、全44公演。“DIFFICULT TO CURE TOUR(96公演)”や“STRAIGHT BETWEEN THE EYES TOUR(90公演)”と比べても半分以下。水面下でDEEP PURPLE再結成が動いていたのは想像に難くありませんが、それだけに音源も稀少なのです。
そんな本作は、ツアー冒頭を飾った母国イギリス公演の一幕。「1983年」「ロンドン」と言うと、先日大好評を賜った『LONDON 1983 1ST NIGHT(Darker Than Blue 213/214)』が浮かぶと思いますが、あの傑作の翌日・同会場にあたる姉妹作なのです。しかも、日付・会場だけではない。録音したのも同じ名門キニーなら、制作過程も同一なのです。実のところ、『LONDON 1983 1ST NIGHT』はオリジナル・カセットが残されず、アナログ時代の名盤『STARGAZER』から起こされたライヴアルバムでした。その翌日たる本作も事情はまったく同じで、大元カセットが失われており、LPブートレッグ『WORLD TOUR 1983-84(XL1556/1557/1558)』から復刻しているのです。もちろん、LP起こしとなると原盤クオリティが重要になるわけですが、本作の元になっているのはキニーのオリジナル・カセットと同じ経路でもたらされたミント・クオリティ盤。それを同様の最新機材で丁寧にデジタル化した史上最高峰クオリティ盤なのです。
そうして34年ぶりに蘇った本作は、サウンド・クオリティも『LONDON 1983 1ST NIGHT』の姉妹作。かの傑作はリリース直後から「こんなに良い音が残っていたのか」と大好評でしたが、本作も同会場・同機材のキニー・マジックがギラリと光る業物。「まるでサウンドボード」と呼ぶタイプありませんが、アナログならではの自然な感触を湛えつつ、骨太が楽音がクリアに届き、豊かな鳴りも素晴らしい。リッチー・ブラックモアのギターやジョー・リン・ターナーの歌声はクッキリしていて当たり前、その上でデイヴ・ローゼンサルやチャック・バーギの妙技もバランス良く捉えられている。少しずつポップに、コンパクトになっていった後期RAINBOWですが、この最終ラインナップはまさにアメリカン・プログレハードの名バンド群にも負けないシャープな演奏を聴かせていた。それが百の言葉よりも雄弁な“音”で伝えてくれるライヴアルバムなのです。
そして、そんなクオリティで描かれる「ロンドン2日目」は、再生直後からサプライズ。いつものように「威風堂々」が流れるかと思いきや、なんと女性ヴォーカルと荘厳な男声合唱が会場中に響き渡る。「あれ? CD間違った?」と思ってよく聴くと、そのメロディは確かに「威風堂々」。実は、この日のオープニングSEにはオーケストラ演奏のテープではなく、コーラス・バージョンが使われているのです。そして、それがいつものように「Over The Rainbow」→「Spotlight Kid」へと繋がっていく。さらに、エンディングもこの日だけの演出があり、いつもなら「Over The Rainbow」がかかるところで、またもや女性ヴォーカルの曲が流される。どうやらこれは第二次世界大戦で“イギリス軍の恋人”と呼ばれたシンガー:ヴェラ・リンの代表曲「We'll Meet Again」。冒頭の「威風堂々」で歌っているのも彼女のようです。
なぜ、この日だけリンなのかは寡聞にして分かりませんが、そんなサプライズを用意するだけあって演奏にも気合いが見える。チャックは堅実なビートの中に小粋なフレーズを隠し味程度に挟み込みつつ、軽快なスピード感でかっ飛ばす。エンディングの演出と関係でもあるのか、アンコールは短いものの、そのキビキビとしたアンサンブルは『LONDON 1983 1ST NIGHT』よりも鮮やかなくらい。ジョーの声も艶やかに良く伸びて好調ですし、リッチーもえらく気持ち良さそうにフレーズを紡ぎ続ける。煌びやかなローゼンサルも含め、“1983年/1984年だけ”の旨みが一層引き立っている名演なのです。
引き締まったアンサンブルが一層タイトで、さらに他では聴けない演出もたっぷりのロンドン2公演目。それを名門キニーのマジック・サウンドで捉えきった銘品です。CD時代になってから長らく不遇にあえぎ、オリジナル・カセットも失われてしまった名録音。忘れられた傑作を史上最高峰クオリティで蘇らせた1本。輝きを永久に残すプレスCDに封じ込め、今週末あなたのお手元にお届けいたします。
Disc 1 (70:00)
1. Land of Hope and Glory 2. Over the Rainbow 3. Spotlight Kid 4. Miss Mistreated
5. Fool for the Night 6. I Surrender 7. Can't Happen Here 8. Catch the Rainbow
9. Drinking with the Devil 10. Guitar Intro. 11. Difficult to Cure 12. Drum Solo
Disc 2 (35:04)
1. Power 2. Blues 3. Stargazer 4. Stranded 5. Death Alley Driver 6. Fire Dance 7. All Night Long
8. We'll Meet Again (Outro.)
Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocals Roger Glover - Bass
David Rosenthal - Keyboards Chuck Burgi - Drums
(メーカーインフォによる)