LED ZEPPELIN - LEICESTER 1971(3CD)
Live at Leicester University, Leicester, UK 25th November 1971
伝説の初来日公演後に行われた1971年最後のライブ活動、11月から12月にかけてのイギリス・ツアー。一時期はアイテム数が極端に少なく、おまけにアメリカや日本と比べて思いのほか落ち着いた雰囲気の中でZEPが演奏していたことから、マニアの間で神格化されていた時期でした。サウンドボード録音こそ発掘されないものの、ここ15年ほどの間にかなりの数の公演が発掘され、ツアーの全貌も明らかとなってきました。
当店がリリースしてあっという間にSold Outになってしまった11月16日のイプスイッチ公演などはアンコールで「Weekend」と「Gallows Poll」が演奏されるというレアなトピックがあったことなども、以前は部分的な音源しか発掘されていなかったことから知られざる事実となっていたもの。
また71年冬のイギリス・ツアーに関しては音源の発掘が進むにつれて多くのアイテムがリリースされてきましたが、そのどれもが地味な音質を向上させようと激烈なイコライズを施してみたり、あるいは高価なアイテムとして登場する頻度が多く、ツアー全体が音質面とアイテム面の両方から「敷居の高い」時期となってしまった感があります。そういった状況に一石を投じるべくリリースされたのが当店の「IPSWICH 1971」でした。
確かに熱狂と興奮の初来日公演とは状況がまるで違う。だけれどもZEPの演奏ボルテージやプラントの声などは相変わらずの1971年クオリティ。以前は「同じ1971年ながらもアメリカや日本には劣る」と誤解されていた感のあるイギリス・ツアーですが、実は非常に素晴らしい演奏が相変わらず繰り広げられていた…それを実証するタイトルにもなったのです。むしろアメリカや日本のような狂乱の盛り上がりはなくとも、落ち着いた状況の中で相変わらずの凄まじい演奏が繰り広げられていた、それが1971年のイギリス・ツアーでしょう。
今回当店がリリースする1971年冬のイギリス・ツアーの優良音源、11月25日のレスター公演。イプスイッチと今回のレスターの間にはあのエレクトリック・マジック・ショーが行われていたのですが、趣向を凝らしてZEPとしても気合を入れたイベント、エレクトリック・マジックよりも今回やイプスイッチの方が従来のZEPらしい奔放な演奏が聴かれるのだから面白いもの。
一方でこのツアーからプラントの声の衰えが始まったことはよく知られています。確かにそれは事実なのですが、何といっても声質自体は余裕で1971年クオリティ。例えばこの日もショーの冒頭からいつもより低い声で歌うプラントの様子が見られますが、そこでも「ヤバい」というよりは「ちょっと低い声で歌っておこう」的な余裕が感じられるのが若さならでは。やはりZEPの1971年という年は特別。
この「若さ」はプラントに限らずこの日のメンバー全員にも溢れているもので、71年のイギリス・ツアー特有のまったりとした雰囲気の中で切れ味鋭い演奏がビシバシと披露される様は本当に面白い。しかもレスターのオーディエンス録音はモノラルながらもスッキリとしていて演奏やボーカルが通って聴こえるという独自の魅力があります。それが過去のアイテムではことごとくイコライジングが施されてしまっていたもので、意外にも初めてナチュラルな状態での収録が実現です。
さらりと駆け抜けるようにアツい演奏を繰り広げる前半から、まったりとしたイギリスのティータイム的な雰囲気さえ感じさせるのがアコースティック・セット。しかもこの日はペイジが「Tangerine」をやり直すという珍しいハプニングが起きています。一説には機材トラブルによるものだと言われていますが、単に弾き違えてしまったように聴こえなくもありません。しかしそんな場面にレスターのオーディエンスが動じることもなく、文字通り暖かい雰囲気で見守っている様子が良好な音質によってリアルにドキュメントされていました。
それ以上に面白いのが「Dazed And Confused」。中盤から後半に向かうパートでペイジがワウペダルを踏みながら弾き出したフレーズは映画「Shaft」のフレーズ。邦題で「黒いジャガーのテーマ」と呼ばれたあの曲が登場。当時公開から半年が経ち、かなり話題を呼んだ映画でしたので、ペイジが盛り込んだのも時代背景を感じさせてくれます。彼のギター・ソロがワン・テンポ遅れて始まる「Stairway To Heaven」がまた実に面白い!まだリリースされたばかりでスタンダード化していないからこその、思わずほっこりとさせられる場面。
ショー終盤の「Whole Lotta Love」メドレーにおいてはプラントがドン・ニックスの「Going Down」を歌い始め、いつもの「Hello Mary Lou」では間でペイジがビートルズの「Day Tripper」のリフを交えるという余裕たっぷりな光景がまたのどかな71年イギリス・ツアーならでは。
そしてアンコールの「Rock And Roll」の演奏がまた全然こなれてなくて何とも初々しい。929バージョンとも全然雰囲気が違う。1972年からZEP解散まで超スタンダードと化した曲ですら、こんなに(いい意味で)垢抜けない雰囲気で演奏されていた時期があったことに驚かされることでしょう。
初来日公演や72年とも違うこの短い時期だけの、本当に独特なZEPのライブ感。後にZEPスタンダードと化す楽曲の数々がこじんまりと演奏されている。それが1971年のイギリス・ツアー。その貴重な一瞬を捉えた優良音源を一切の小細工なしにて限定プレスにてリリース。ありのままの状態でじっくりとお楽しみください!
Disc 1 (61:05)
1. Intro. 2. Immigrant Song 3. Heartbreaker 4. Black Dog5. Since I've Been Loving You
6. Celebration Day 7. Going to California 8. That's the Way 9. Tangerine 10. Bron-Y-Aur Stomp
Disc 2 (40:00)
1. MC 2. Dazed and Confused 3. Stairway to Heaven
Disc 3 (50:16)
1. What Is and What Should Never Be 2. Whole Lotta Love 3. Rock and Roll 4. Communication Breakdown
(メーカーインフォによる)